ホテルを利用する際の常識として、「外出する際は鍵を持ち歩かない」というものがあります。ホテルからすると、「部屋の鍵を紛失されると困る」からです。そして私たちからしてみても、ホテルの部屋の鍵を持ち歩くということは見知らぬ土地で宿泊先の鍵をなくしてしまうかもしれないという多大なリスクを伴います。旅行先であれば土地勘もなかったりするものです。そのような土地で鍵をなくしてしまうと探しようがありません。
ですから、外出する際はホテルのフロントに鍵を預けるようにするのが一般的です。ホテルもそれを推奨しているものです。また、これはセキュリティ上の問題でもあるのです。ホテルは宿泊者の情報を揃えています。予約時に伝えた情報はしっかりと保存されています。ですが、「顔」までを記録しているわけではないのです。もしホテルの鍵を旅行先でなくしてしまった場合、その鍵が誰かに拾われてしまった場合、そしてそれを拾った人に悪意があり、その鍵がどこのホテルのものかわかってしまった場合、その部屋に忍び込むのはたやすくなります。ホテルの入り口は開かれていて、その気になれば誰でも入ることができます。入館時に必ず名前を確認するようになっていればいいのですが、そうではない場合、「鍵を拾った悪意ある人」は簡単にあなたの宿泊している部屋に侵入することができます。
部屋に貴重品などが置いてある場合、それらはほぼ確実に盗難の被害にあうことになります。ホテル側は出入りするすべての人をチェックすることはできませんから、このような場合は鍵を紛失し、拾われた時点でこのような事態を防ぐことはできないのです。ですから、外出時に鍵をフロントに預け忘れたことがわかった場合、絶対にそれをなくしてはいけません。もし「なくした」と気づいた場合はすぐにホテルに連絡すべきです。その場合、部屋の鍵は「交換」になるでしょう。その際の費用は実費として宿泊客であるあなたに請求されることでしょう。ただ、盗難などの被害は防ぐことができるかもしれません。リスクは軽減されます。
ホテルの鍵をなくしてしまうことは多大なリスクです。ですから、旅行する際の常識として「鍵は持ち歩かない」ということを実践すべきでしょう。外出時にいちいち鍵を預けることは面倒に思えるかもしれませんが、外出先でなくした際のリスクにくらべればどうということはありません。自分の宿泊している部屋が荒らされるかもしれず、かつ鍵の交換代を支払わなければいけないということは大変面倒なものです。楽しい旅行が台無しになってしまいます。
「鍵を預ける」ということは少し違和感があるかもしれませんが、そのような面倒なことを想定しての「ルール」であるといってもいいでしょう。ホテルによっては、「カードキー」などであれば持ち出しが自由である場合もあります。そのようなホテルは宿泊の記念にチェックアウト時に鍵のカードがもらえる場合もあります。そのような際はホテル側で簡単に鍵とカードの登録を変更することができるのです。ですから紛失してもリスクは少なく、ホテルに連絡すればなんなく鍵を変更できるようなケースもあります。ですがそれは一部のホテルだけでしょう。やはり鍵はフロントに預けるのが基本なのです。
